Monday, May 27, 2013

侵略の定義について(7)

侵略の認定は、安保理事会だけでなく、国連総会でも行われた。具体例としては、朝鮮戦争、ナミビア、南アフリカ、ギニアビサウ、中東、ボスニア・ヘルツイェゴヴィナなどがある。                                                                       1960年代から80年代にかけて、南アフリカがナミビアを占領したことに対して、国連総会は侵略であるとして何度も非難決議を行った。                                                                     1978年5月3日の決議S-9/2は、南アフリカによるナミビア不法占領はナミビア人民と国連に対する継続的侵略行為であることを強調し、南アフリカ占領当局の侵略政策がアンゴラやザンビアなど近隣諸国の領土に侵犯する侵略行為にあらわれていると述べた。賛成119、反対なし、棄権2であった。                                                                                  1981年12月10日の決議36/121A以後、国連総会は、南アフリカのナミビア占領は『侵略の定義』にいう侵略であるとした。南アフリカによるナミビアの違法な植民地占領はナミビア人民に対する侵略であり、国連当局に対する挑戦であることを強調し、『侵略の定義』の意味での侵略にあたると宣言し、南アフリカのナミビア占領を強く非難し、さらにアンゴラ、ボツワナ、モザンビーク、ザンビア、ジンバブエに対する侵略行為を告発し、アンゴラ侵略における主権と領土の侵犯を強く非難した。賛成120、反対なし、棄権27であった。国連総会はその後も8度にわたって同様の決議を繰り返した。それらの決議において反対投票をした国は一つもない。