Thursday, May 23, 2013

侵略の定義について(5)

国連安保理事会における侵略認定の議論は、南ローデシア、南アフリカ、ベニン、チュニジア、イラクに関して行われた。安保理事会は、1970年代に、南ローデシアによるアンゴラ、ボツワナ、モザンビーク、ザンビアなどに対する侵略行為に関する一連の非難決議を採択している。                                                        1973年2月2日の決議326(1973)は、南ローデシアによるザンビアに対する侵略行為に言及している。南ローデシアにおける不法な政権が、ザンビアの安全と経済に対して行っている侵略行為によって作り出された状況に重大な関心を表明し、南ローデシアの状況が国際平和と安全にとって脅威となっていることを確認し、最近になって状況が悪化しているとし、侵略行為によって人命と財産の破壊が行われていることに深い衝撃を表明している。本決議は賛成13、反対なし、棄権2(英米)で採択された。                                              1979年11月23日の決議455(1979)は、南ローデシアが南アフリカと共謀してザンビアに行った侵略行為に言及している。ローデシアがザンビアの主権や領土に対して行っている敵対行為と侵略行為に重大な関心を表明し、南アフリカが共謀のもとに侵略行為を繰り返していることにも重大な関心を表明し、人命と財産破壊の悲劇に悲しみを表明し、南ローデシアによる悪意に満ちた侵略行為、人種差別主義的体制を確認し、強く非難し、南アフリカに対しても強く非難している。全会一致で採択された。                                           1973年決議は、国連『侵略の定義』(1974年)よりも前になされている。つまり、『侵略の定義』によって初めて侵略の定義が明らかになったと考えられてはいないことを意味する。