Sunday, February 08, 2015

「わが愛憎の画家たち――針生一郎と戦後美術」展

来年度の授業で彫刻家・佐藤忠良を取り上げるので仙台の佐藤忠良美術館に行ってきた。宮城県立美術館に併設されているので、県美で開催中の「針生一郎」展を観た。アヴァンギャルドを見つめ続けた美術評論家・針生は宮城県出身だという。1925年生まれ、2010年没で、最後まで美術評論の最前線にいた。1950年頃から半世紀以上の評論家活動である。展示は序章、終章と12章で構成されている。
「戦後絵画アプレゲールとの出会い」
「前衛芸術運動への参加」
「ルポルタージュ絵画と新しい具象」
「リアリズムを超えて」
「読売アンデパンダン展の終焉と針生アンパン」
「反戦・反核・平和運動と美術」
「これが日本画だ! 制度への挑戦」
「ヴェネツィア・ビエンナーレ1968」
「反博――アンチ大阪万博」
「環境への視線」
「世界と日本――サンパウロ・ビエンナーレ77,79」
「連帯と抵抗と」。

初期の岡本太郎、勅使川原宏、池田龍雄などから、赤瀬川原平、山下菊二、丸木位里・俊など、あるいは佐藤忠良、朝倉摂など、戦後美術史のおさらいができる、とても有益な展示だった。カタログも充実している。