Wednesday, August 09, 2017

人権理事会諮問委員会に東アジア共同体論を紹介

8月9日、国連人権理事会諮問委員会19会期の議題2(g)Regional arrangements for the promotion and protection of human rightsの討論において、NGOの国際人権活動日本委員会(JWCHR、前田朗)は、次のように、日本における東アジア共同体・沖縄(琉球)研究会の設立を紹介した。
<ソー・チャンノク報告書を歓迎する。2010年、日韓併合100周年に韓国と日本のNGOは東アジア歴史・人権・平和宣言を採択して、東アジア共同体と人権機関の設置を呼び掛けた。昨年9月、東アジア共同体・沖縄(琉球)研究会を設立したが、顧問の一人は鳩山友紀夫元首相である。鳩山政権の問題提起以来、東アジア共同体の議論を続けてきた。東アジアは軍事的緊張が高まっており、政治的雰囲気が悪い。沖縄を「軍事的キーストーン」から「平和のキーストーン」に変えることが重要である。沖縄は第二次大戦で悲劇に遭い、その後27年間アメリカに軍事占領された。日本はアジア太平洋で行った過去の歴史を忘れたかのようにふるまっている。ソー報告書が「日本は過去の戦争犯罪による人権侵害の責任を取ろうとしない」と述べている通りである。今こそ日本はアメリカからの脱植民地化と、アジアに対する植民地主義を克服すべき時である。研究会は、日本のアメリカからの真の独立、東アジア共同体による平和構築、沖縄の自己決定権を課題としている。>
このテーマで人権理事会諮問委員会で発言したのは初めてだと思う。国連先住民作業部会では沖縄の自己決定権の発言が何度もなされてきたと思う。
人権理事会では、2015年に翁長知事の発言があり、本年3月に私が山城博治さん拘束問題を発言し、6月に山城さん自身が発言している。
しかし、人権理事会のシンクタンクとして設置された諮問委員会(18人の専門家による委員会)で沖縄に関連する発言は今回が初めてだろう。
私の発言後、議長が一言型通りに「興味深い発言ありがとう」と述べただけで、特段の反応はなかった。
審議終了後、ソー・チャンノク委員が、ありがとう、と私のところにやって来た。委員会の審議では、他の委員からあれこれ注文がついていたので、NGO席から「ソー報告書を歓迎する」という発言があったのを、喜んでくれたと思う。韓国代表部一等書記官も、よかった、と言いに来た。
このテーマの議論はまだ続く。今後のソー委員の活躍が期待される。